堺 克弘さんへインタビュー

堺 克弘Exhibition 「あなたのために わたしのために  あしたのために」
の開催にあたり、堺さんにインタビューをさせていただきました。
その模様をお届けします。

Q
前回の個展はSHOP ASPLUND ebisuの10周年に合わせて開催させていただきました。
コロナによる規制もあり、本来は夏に開催予定だったのを半年ぐらいずらして秋の開催でした。
その時から今回の個展の開催までに、堺さんご自身の想いや環境の変化などはありましたでしょうか。
 
A
基本的には変わってないけど、よりシンプルに今までの日常みたいなものが尊いと感じるようになりましたね。シンプルに「物を作ること」、「(作った作品を)買ってもらえること」、「話をすること」がすごいことなんだなと痛感した一年半でした。
ずっと健康だった人が、病気やけがをしてみてやっと健康のありがたみに気づくって感覚に似ている気がします。
普通が一番いい。そこを幸せに感じないとな、と強く思うようになりました。
 
元々一人で黙々と作っていたので、作ること自体に関して弊害はなかったけど、作ったものを外に出すところが無かったことが唯一の弊害というか。
以前は3〜4か月周期で個展をさせていただいていたのが、2回3回と延期や中止という状況が続くとさすがに調子がくるってしまいましたね。
 
その分、より丁寧に作品に向き合えた一年半でした。これまでは作品を作る際に、ラフなところをあえて残していたんですが、よい意味でも悪い意味でもそういうところがなくなりました。
 
元々性格的にどんな状況が自分の周りに起きてもポジティブにクリアしていくタイプで、作品を作る上でも、多少失敗しても微調整みたいなことも器用にやって、ダメなところを取り入れてうまく形にするようにしています。
コロナの状況は決して良いことではないけど、そこから学べることはたくさんあった。
ありがとう、サンキュー。くらいの気持ちでしたよ。

 

 
Q
インテリアショップであるSHOP ASPLUNDで個展を開催していただくにあたり、作陶の際に他の展示会とは違ったことを意識されていますでしょうか。
 
A
前回の開催の時は「インテリアショップ」という事をすごく意識して、壁に飾る作品はその時をきっかけにして作り始めました。
壁に掛ける作品と、壺もたくさん作りました。
 
今回の個展では、特に壺をに力を入れました。
壺は進化したなという自信があります。マグカップとかお皿は型を使ってて作るので、ベースになる形は同じなんだけど、壺は底の部分以外はフリーハンドで立ち上げていくので、少しずつ自分の形になってきたと思います。
毎回作るたびに課題が出てくるので次の作品はもっと良くなっていって進化してくるはず。
 
あとは、シンプルに器を作ることに注力しました。
日常で使うものを日常の中で作ってそれを普通に買っていただける個展として、インテリアショップの完成されたシーンの中に、あえて食器として似合うようなものをとイメージしました。
克丼をメインに据えてウェルカムな器も作りました。
もう一つのメインは「A氏マグ」。
克丼が横綱なら、A氏マグは大関といった感じ。楽しみにしておいてください。
 
前述したことと重複しますが、やっぱりあしたのために何かをするってすごいことなんだなあと思います。
みんな、生きている中で何をするにも、「あしたのために」何かをしている。ご飯を食べることも、寝ることもお風呂に入ることも。
僕も明日からの人生のために器を作っている、買ってくださる方も明日の自分のために買ってくださっている。そんな日常をとらえた言葉として、「あしたのために」というのが浮かんで、それに「あなた」と「わたし」プラスして今回のタイトルにしました。

 
Q
食通の堺さんが東京にお越しになった際に必ず足を運ぶというレストランや、ごはんやさんはどこでしょうか?堺さんのファンの方にお勧めの場所などあれば。
 
A
僕、食通じゃないですよ〜。
そうですね、僕の出身地である宮崎出身のオーナーさんが経営されているお店に伺うことが多いです。
ショップの近くだと、「恵比寿 宮崎料理 てにゃわん」
https://www.instagram.com/tenyawanebisu/?hl=ja

「ヒムカテラス」
宮崎の厳選された食材や焼酎などを置いている美味しい居酒屋です。
ヒムカテラスの方が少しカジュアルな感じですね。
どちらの店舗でも僕の器を使ってくれています。
https://www.instagram.com/himukaterrace0709/

あとは、代官山の駅の近くにある「中國名菜 龍坊」
こちらも宮崎出身のオーナーが経営している、北京宮廷料理のお店です。
フランス料理における調理法のひとつ「ヌーベルキュイジーヌ」に影響を受けたといわれる「ヌーベルシノワ」スタイルの料理が人気です。
僕の壺を店内に置いてくれています。
http://www.long-fang.jp/ 

沿線だと、学芸大学駅前にあるイタリアン「La Fontana azzurra(ラ フォンターナ アッヅッラ)」
https://lafontanaazzurra.gorp.jp/
こだわりの食材を宮崎県の知り合いの農家さん、漁師さんから肉・魚・野菜を産地直で取り寄せて使っているというこだわりのお店です。
こちらも僕の器を使ってくれています。オーナーシェフの中原君は同い年。
 
あとは、ショップからは遠いですが、新宿にある「新宿みやこんじょ」
https://miyakonjo.owst.jp/
はリーズナブルな居酒屋。東宝シネマズのすぐ目の前のビルにあるので、映画を観に行った帰りにでも。



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